■記事内容抜粋
REPORT 英語最前線
最近話題の英語学習関連商品 -ベンチャーと政府関係機関の試み-
英語学習もますますマルチメディア化が進んでいる
ネット上では、「英語耳」を短期間で作るという機器が
また、高等教育関係者の間では、
あるCD-ROM教材が話題になっている
今回はその注目を集める英語学習関連2商品を紹介する
「12時間で英語が突然聞き取れる」をうたい文句にしているのは、ベンチャー企業アリスコーポレーション(www.alice-group.com)のマジック・リスニングだ。聴覚トレーニング用のCD(約50分)を専用のヘッドフォンで12日間聞くというもので、個人差はあるものの、早ければ3、4日で効果の出る人もいるという。
CDには、特殊処理されたクラシック音楽、水の流れる音、英会話が納められている。「特殊処理」のせいで、普通に聞こていた音楽が急に止まったり、高温のみになったり、右耳から左耳(またその逆)に飛んだりする。Kの不規則な音に、海外旅行を想定した簡単なダイアローグが被さる。実際に聞いてみると、タイピングをするときなどに行う「耳抜き」のような感覚を味わう。
この特殊処理音はもともと、音楽を専攻する学生の聴力訓練用に開発された。日本人の音感や音楽の表現が欧米人のそれと異なるのは、認知周波数帯域の違いがあるからで、これには母国語が大きく影響している。日本語の周波数は500〜1,000ヘルツに対して、英語は2,000〜3,000ヘルツに達する。この差のために、日本人には高い音が認識しにくいという理論だ。しかし、特殊処理音をある期間聞くことで音の分析力が向上するとの結論を得たという。
■英語聞き取りのベースを作る
しかし、短期間の訓練で本当に成果はあるのか。このシステムを語学に応用できるのではと考えつつも、確証が得られなかったアリスコーポレーション代表取締役の長坂泰彦さんは、自身と社員全員でマジック・リスニングの前身となった機器を試してみた。すると...。
「訓練の前後にリスニングテストを行ったわけではないんですが、確かに聴力が上がったと思います。音色の聞き分けができるようになったという者もいます。それで、製品化に踏み切ったんです」(長坂さん)
マジック・リスニングの効果を実感し、採用している大学もある。静岡産業大学の山田登教授は、昨今、学生18人を使って、マジック・リスニング使用前後で100点満点のリスニングテストを行った。結果、訓練後には平均で10点以上アップした。このことが、今年度から導入につながった。
「これまでシャドーイングを学生たちにやらせてきたんけど、どうも音がうまく拾えない。何かいい方法がないかというのが発端なんです。私自身も試してみたんですが、訓練をしていると、普段聞いている英語がはっきり聞こえるな、と感じるんです。メガネをかけると文字がはっきりするように、音がはっきり聞こえる。単語のキレがはっきりするんです」(山田教授)
しかし、誤解してはいけないのは、マジック・リスニングが英語教材ではない点だ。あくまでも聴力を伸ばすトレーニング機器なのだ。
「単語力がなければ、聞き取れても意味が分かりませんから、英語は伸びません。英語の学習自体を怠って、これだけをやって効果がないと言われても困ります」
と、長坂さんも強調する。
マジック・リスニングは、主にインターネット上で販売されており、主要購入者層は30〜40代のビジネスマン・OLだ。本体価格は49,800円と高めだが、発売開始当初の昨年2月は100個余りだった注文が、今年1月には3,900個を売り上げる人気となっている。
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